β-Health通信 970号掲載(平成16年9月10日号)
〜透析治療を受けながら、充実した人生を送るために Part2〜

できないことを嘆くのではなく、
できることを考えて前向きに。
積極的な考え方ができるといいですね。

自己管理さえできれば食事やお酒も楽しめる
透析生活を快適に送っていくために大切なのは、正しい知識、そして自己管理です。かかりつけの医療機関の指導に従って、食事や水分を適正量とるようにして下さい。昔から、透析中というと水分や食事を制限することばかりが注目される傾向がありますが、必要な量はとらなくてはなりません。カロリーや塩分、たんぱく質、カリウムなどの適正量を守ることはもちろんですが、大切なのは、楽しく、おいしく食べること。そうでなければ、長く続かないし、ストレスがたまりますからね。
外食をしたり、親しい人とお酒を飲んだりすることだってできます。何にどれだけの塩分が含まれているのか、必要な栄養分は何か、などをきちんと考えること、そして、透析日とのタイミングを調整することを考えて無茶しない。それだけが条件です。
例えば、月、水、金曜日に透析を受けている方の場合、土曜、日曜だけが二日間のブランクになります。この間に無理をすると、3日目に体調の変化が起こしやすくなります。外食したりお酒を飲んだりする予定は、透析の間の、火、木曜日に入れるようにすることです。
透析量を知っておくことも大切です。透析時間は誰でも一律のように思われていますが、体重40kgの女性と70kgの男性が、同じでいいはずありません。体格や生活習慣、食事の量に合わせて透析を受けるべきだと私は考えています。KT/Vという数値が、透析量のその目安として使われているので、担当医にお聞きになって、自分で自分の状態を知るようにすれば、自己管理意識も高まると思います。
  ※KT/V…一回の透析で尿素窒素がどれだけ除去されたかを表す値

自分なりの楽しみ方、快適な過ごし方の工夫を
「透析が中心になるような毎日は辛い」という患者さんもよくいらっしゃいます。食事に気を使って、透析日を予定に入れて、という毎日を送っていると、確かに不自由を感じるでしょう。透析時間も長く感じるし、透析後のだるさやケイレンなどの不快感も辛い。それはとても自然な感情だと思います。
でも、好き放題に飲み食いして、運動もせずにいた人が、突然病に倒れることだって、よくあります。「健康に気をつけよう」と思いながらも、つい不摂生をしてしまうんのが人間ですから。ところが、透析患者さんの場合は、どういう自己管理が必要かが明確です。それを認識して実行している方が増えているのも、透析患者さんが長命になっている理由のひとつだろうと思います。
皆さんが辛いと感じる透析中や後の症状についても、L−カルニチン、水溶性ビタミン郡、ミネラルやアミノ酸など、透析によって失われる栄養素を補う健康補助食品が出ていますから、利用するのもお勧めです。このような工夫も含めて、長い透析生活の快適な過ごし方を考えてみて下さい。自己管理をきちんとしていきさえすれば、急な病変という危険を避けることができます。ぜひ、充実した人生を楽しんで下さい。今はそれができる時代なのですから。それが、私のアドバイスであり、ご提案です。




 
 
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